距離感


枯れた想いで見上げる空。

巡る時代の中で
空と自分との距離は
いつの日も変わることなく

常に一定の間隔で
変化することのない距離感。

触れるから、傷が付く。
触れるから、汚れてしまう。
そんな不器用な痛みが
過去のどこかで嫌な匂いを漂わせている。

あらゆる環境の中で
他者との距離や 心との距離や
自分と周囲との距離感が分からなくなり

今は空だけが
唯一、安定した距離感で
接することが出来るのです。

この汚れた手の届かない場所で
見上げる風景は まるで違う世界のようで
心地が良く、優しく、そこに在り続ける。

いろいろなものから逃げるように
遠ざかり閉鎖された心は
空の静寂を想い、ただ時を刻んでいく。

この腕の長さの外側で
遠い日の誰かは笑っているでしょうか。

この腕の長さの内側で
僕は笑うことなど出来ないけれど
静かな空なんかを見上げながら
ふと、過去を思い浮かべています。

こんな距離感でしか
人を想えない心をお許しください。





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