愛すべき世界


思考の中に見え隠れする風景。

病に染まる日々の傍らで
切なく横切るそれは
愛すべき過去の面影。

いつからか、世界のあらゆる場所は
自分の居れない空間に変わり

自由な青空も
汚れない繋がりも
人の笑顔も、鮮やかな春も
美しい風景は
過去の中で揺らめくだけになった。

乾いてしまった世界の中で
不毛でない場所を
見つけることの出来ない盲目な心。

歪んでしまった感覚に
頼りなく降り積もる言葉を拾い集め
こんな人間になってしまった、と
仰いだ空に漂わせる溜息。

この愛すべき世界の中で

この愛すべき世界の中で

この愛すべき世界の中で

美しさを持って
生きていたかった。





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