散っていく夜


一輪の花も咲くことはない心に
仰いだ空はどこまでも、どこまでも。

世界を廻る風は
こんな小さな痛みに気付くはずもなく
髪の毛を泳がせては、消えた。

処理できない情報ばかりが
駆け巡る思考回路に
一瞬の眠りすら許されない夜。

散ってしまった心のいくつかを
追いかけることもせず
花弁は記憶の中で
鮮やかに揺らいでいた。

こんな有り触れた夜ですら
悲しみを手放せない心は
枯れてゆくまま、枯れてゆくまま。

もしも、いつか
悲しみのない夜が来たなら
どんなに汚れた笑顔でも
笑ってください。




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