月光の映写機


真夜中に溢れる繊細な面影が
月光の映写機に映される。

思い出と呼ばれるそれらは
夜の一瞬を飾りつけて、消えていった。

窓越しに浮かび上がる微かな涙など
飲み込んでしまいそうな夜空に月。
戻れない場所で
唐突に浮かび上がる色彩は、ただ美しい。

濁ってしまった色で
愛の何も描けない指先は
届かないものばかりを
追いかけている。

それは、夏が終わり
秋が訪れるように
冬が過ぎて、春がはじまるように
巡るような感情の色彩たち。

確かな悦びに満ちていた日々。

真夜中に溢れる繊細な面影が
月光の映写機に映される。

枯れた言葉が散乱した部屋で
青空のような清々しい色も
花達のような鮮やかな色も
追憶の中で、追憶の中で

思い出と呼ばれるそれらは
夜の一瞬を飾りつけて、消えていった。

思い出と呼ばれるそれらは
夜の一瞬を飾りつけて、消えていった。






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