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夜の声


夜、ひとりになると
僕の中から世界が話しかけてくる

月が、町の灯りが、草や木が
語りかけてくる
英語はわからないのに
イギリス人の悲しみが聞こえてくる
スワヒリ語はわらかないのに
タンザニア人の歌声が聞こえてくる
クメール語はわからないのに
カンボジア人の笑い声が聞こえてくる

僕は世界の声を聞いて
冷静に夜をやり過ごす
他者の言葉を黙って聞く
まるで宇宙の星になったように
黙って聞いている

朝になって
僕はようやく世界に語りかける
おはようと言ってみる
しかし世界は何も応えない
それでも僕は世界の中へと入っていく
世界の中でひとつの他者になる





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敗者


完敗でした
それはもう、完膚無きまでに

無数に刻まれた
切り傷だらけの左手首を
軽蔑の眼に映して
こんなボロボロの腕で
一体、何を守れたというのか
ハッ!と叫んで午後

救われるだなんて思っていません
ただ、ほんの少し
たったの一夜
あの永遠と呼ばれるもの
そのわずか一瞬を
垣間見ることができるだけで
よかったのです

ハッ!

完敗でした
それはもう、完膚無きまでに

僕は祈ります
いつかの愛が埋められた過去の墓場に
あなたの足音が聞こえなくなるまで





命、あげます


この命、使ってください

この命、要りませんか?

私は命を持て余しています





日々の証人


そろそろ言葉との別れをしなければならない
と、言い続けてはどれくらい経っただろう

もうけして花の咲くことはない
ベランダの鉢にしおれた草は
まるでそうあることが
完成された一つの形であるかのように
すでに風景と同化してしまっている
悲しみさえ纏うことも忘れて

ポッケの中でかさばる
未だに棄てそびれた言葉ばかり
美しい言葉も
残酷な言葉も
絶えることのなかった
とある日々の証人たち

僕は秋に生まれたんです
人生で最初に与えられた言葉を
きっと覚えています
それは生涯で最も
優しさに溢れた言葉を
与えられました
それは世の中で最も
愛に満ちた言葉を
与えられました

僕は秋に生まれたんです

生んでくれたことに感謝
生まれてきてしまったことに懺悔

それはあまりにも喜劇でした




苦痛


分かっている
君の言いたいことは十二分に

だから僕はこうして自分を責めている
もういいじゃないか
全ての人間が
愛されてのみ生きてきたわけじゃない

もしかしたらそれは
とても造作のないことかもしれないが
僕にとっては死に値するほどの苦痛だった

愛は!





3月××日


3月××日
この世界には清算されず
放置された悲しみが多すぎました
僕は途方もないそれら数多の悲しみを
ひとつひとつ感じ取り
処分しなければなりませんでした

生きることは地獄でした
生きることは地獄でした

3月××日
彼らにとっての死とは最後の救済です
やがて死は
その無垢なまでの冷酷と
終えることのない不変によって
唯一、優劣も差別もなく
すべての人を受け入れてくれるのです
世界のどこにも
あるいは誰にも
受け入れられなかった
この僕でさえ、例外なく

3月××日
やはり常に
生まれてこなければよかったと思うのです
そしてそのことを拒み
忌み嫌い続けているのです
いつしか常に死の臭いを漂わせた僕は
濁る空を仰ぎ見ることも忘れて

3月××日
ええ、まるで生きた心地など
しなかったこの生涯の苦悩を
たったいくつかの愛がために
持ち得るすべてを捧げた
哀れな漂流の旅路を
僕はその尊い救いによってのみ
完結できると信じていました

3月××日
今日も憂いています
悲しいことが多すぎて
死にたくなることが多すぎて
まったく・・
命がいくつあっても
足りません





プロフィール

Author:Ides
   
病の中で歪んだ季節を

刻むべき場所が僕には必要でした。

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