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空白


いつかあなたが
僕たちの敗北を知ることのできる
最後の朝を思い出す時
理想を顧みる大きなクジラの尾に打たれ
えぐられた世界の空白に
ひとつの確かな後悔を
僕は紡いでいる

まだ見ぬ大地から吹き荒れる風に撫でられ
一時に湧いた清らかな情熱によってのみ
生じるそれは
白いあなたの指先が
まだ綺麗な夕焼けを映していた頃の
満ちることのない心と
ほんのわずかな冒険の匂いに誘惑された
いじらしい罪に他ならない

(けして救われることのなかった夜を
 僕たちの証明とするために)

いつかあの季節の同じ悲しみが
忘却の炎に焼かれ
灰となってしまっても
えぐられた世界の空白と
それに与えられた愛とを持って
やがてそれは
いつまでも僕の視界の片隅の中を
揺らいでいることでしょう




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疾走


夕映えを疾走する
見知らぬ場所を捉える暇さえなく
影を帯びる列車の中
風景に押し込まれては
閉じられた瞳の向こう
真っ暗な回廊の中を歩く僕は
音だけを拾っていく
河原で丸く綺麗な石を探すように
音だけを拾っていく

空調の音や風圧がドアを叩く音
入れ替わる誰かの話し声、
車輪が線路を擦る音、
ヘッドホンから漏れる知らない歌

知らない街の知らない音
知らない人の知らない声

すべてが無縁で
けして綺麗な音はないけれど
この夕映えの音楽は
どこか和やかな旋律を奏でている

やがて列車は帰るべき場所に降り立つ




愛したもの


僕が愛した風景を
君に伝えようと思ったが
僕が愛した過去たちは
記憶さえも届かない
遠い宇宙の星

僕が愛した生物を
君に伝えようと思ったが
僕が愛した生物は
夜を纏い眠りの最中

僕が愛した言葉たちを
君に伝えようと思ったが
僕が愛した言葉たちは
遥か地平線の向こう側

僕が愛したものを
君に伝えようと思ったが
僕が愛したものたちは
輪郭も色もなく
冬の空に消えてった




プロフィール

Ides

Author:Ides
   
病の中で歪んだ季節を

刻むべき場所が僕には必要でした。

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