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気泡


世界は一つ、だと詩人は詠う 
けれど僕たちは 
生まれるずっと前から 
一つだった 
一つの湖でしかなかった 

肌の色も人種も関係ない、と詩人は詠う 
けれど僕たちは 
生まれるずっと前から 
同じだった 
皆同じ、水草に張り付く気泡でしかなかった 

雪が溶けて、また命が生まれる 
雲の合間から差す光を 
誰もが自分のためだと確信するだろう 
 
地球のどこにいようと 
太陽の価値は変わらない 
世界のどこにいようと 
人は皆、ひかりを共有し合えるのだ 

憂いた明日も、優しかった昨日も 
わずかな風の揺らぎの中で 
僕たちの故郷へと流れるだろう 
 
皆同じ、一つの小さな湖から生まれたのだ 
生きてる間くらい 
違う空を見させておくれ 
生きてる間くらい 
僕でいさせておくれ 

死んだらまた 
皆と同じになるのだから 

皆と同じ 
湖の中で漂う気泡になるのだから 





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一輪の花


生い茂る草の群れ 
その根のさらに土深く 
どれだけの言葉たちが 
沈黙に身を潜めていようと 
誰もそれを知ることはないでしょう 

当然です 
今まで一体、どれだけの歳月を偽装し 
生きてきましたか? 
そう易々と見抜けるものではないはずです 

僕たちの真実は 
大抵は価値のないものだろう 
僕たちの真実は 
およそ隠すべきものでもないだろう 

ただ、それでも 
秘めるのです 
感情や命すらもベールに使い 
それを隠し通すのです 
 
鳥や雲や風からも 
けして見えない 
見せることのない大地の奥深く 
誰もが声を、言葉を 
秘めている 

ただ、もしもその言葉たちが 
大地の上へ出たいと願うなら 
きっとあなたも詩を書くことでしょう 

でも忘れないでください 
それらの言葉ですら 
真実のひとかけらに過ぎないことを 
偽りの中で垣間見ることのできる 
わずかな真実でしかないことを 

結局、僕たちの真実は 
僕たち自身も知らないのです 
自分ですら、真実の理解者になりきれないのです 
常に真実は独りぼっちなのです 

けれど、いつしか 
もしもその真実が 
深い大地で根を生やし 
はるか先の地上から 
小さな芽となって 
一輪の花を咲かせることがあったなら 
僕は死んでもいいとさえ 
思うでしょう 

大地の上で 
僕や、あるいは他の誰かの目の前で 
花を咲かせ、揺らいでいたなら 
僕は本当に 
死んでもいいとさえ 
思うでしょう 




忘却


やはり恨んでいるのですね 
心中お察し申し上げます 

ならばどうか 
最後のお願いです 

もう、そいつを殺してやってください 

何も変わることのないそいつを 
まだあなたの中で 
手首を刻み続けるそいつを 
恥も外聞もなく、請い続けるそいつを 
どうか殺してやってください 

僕も殺します 
なのであなたも 
そいつを殺してやってください 
 
鋭い刃物で 
二度と立ち上がってこないように 








何億光年も離れた星に語りかける

あなたが生まれたその星は
愛すべき世界ですか?
否定すべき世界ですか?

僕が生まれてきたこの星は
けして否定すべきではないけれど
愛すべきかどうかは
分かりません。

ただ渇いて
一ミリの雨も降らない土の上で
来ない春を待っていたのです。

いじらしく、苦しむこともあるけれど
それはそれは
初恋のような世界です。

やがては痩けた石となり
宇宙を漂うその日まで
僕は春を待つでしょうが
おそらく出会うことはないでしょう。

そして、出会えなかったその春を
惜しみながらも
痩けた一つの石として
幾千もの銀河を漂い
恋したこの星の美しさを
語り継ぐのです。




プロフィール

Author:Ides
   
病の中で歪んだ季節を

刻むべき場所が僕には必要でした。

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