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道しるべ


かすれた声のような拙い風。

凍える雲を走らせて
時の流れは、この一瞬さえも
連れ去ってしまうのか。

宴の後の虚しさのように
生物の呼吸は感じない季節で
明日への計算ばかりしている。

光の三原色の死角において
覗くことは出来ない 夜の向こう。

夢の蓋を開けて、誰かの眠りに寄り添いたいような
ここは、退屈で孤独な場所。

何の答えも導き出せぬまま
荒廃した夜は終える。

そして空気の合間を 一筋に施した始まりは
頬に残った涙の跡のように
鮮やかな淡黄色の道しるべとして
朝へと導くだろう。

ええ、随分と生きづらくなりましたね。





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扉の向こう


また、見飽きた風景の扉を開ける。
同じ色の春が 氷よりも冷たく過ぎていった。

歳月の中で風化することなく
絶えず揺らめいていたのは、言ノ葉。

それは、それは、有り触れた言ノ葉。

昨日見た夢のように 風景はまだ青い。
同じ色の夏が 星よりも危うく消えていった。

巡るだけ巡り、使い古された感情の残り火。
その微かな余韻の中で
季節の匂いを探っている。

天井の淡いシミのように
慎ましい跡を辿っている。

過ぎゆくまま、褪せてゆくだけの風景。
同じ色の秋が 花よりも綺麗に枯れていった。

昼と夜を結んだ雲が
地平線を染めて、沈んでいく瞬間
確かに、禁じ得ない悲しみがそこにある。

すくわれる事なく 落ちていった想いは
言語化も不完全な言ノ葉。

それは、それは、有り触れた言ノ葉。

惜しむべき扉の向こう側で
これまで一体、何を残せたのだろうか。

同じ色の冬が 冬よりも冬のように過ぎていった。





完全な世界


星がないだけで、夜は夜として
あまりにも不完全に見える。

冷たい木枯らしに染まり
葉がすっかり落ちてしまった樹木も
不完全に佇んでいる。

欠けたパズルのように
不完全な風景の中において
心はというと
美しさを忘れ、その不完全な形を
問いかけていた。

世の中に完全なものがあるのなら
それは、通り過ぎた忘却の彼方
永遠以上の青さで 駆け回っていた世界のひととき。

病む事も、憎む事も知らなかった
わずかなひととき。

そうだ、あれは完全だった。

問い続ける事などなく
鮮やかな死の中に居たようなあれは
完全だった。

小さな手の平に収まる100円のおもちゃが
世界の全てに過ぎなかったあれは
完全だった。

永遠以上の青さで 駆け回っていた
ひとときのあの世界は
唯一、完全だった。





祈り


祈りを捧げるように
あなたは眠っている。

誰にも汚される事のない夢の世界で
どんな願いを抱きしめているのだろう。

僕が願える事は
あなたの夢が汚れないように
祈り続ける事だけ。

静かな絶望の中で
12月の夜は過ぎていった。

深い紅色の海から飛び出す輝きのひとつが
空の全てを染めゆく時
滲み出た色彩の後に残ったものが
自慰行為の後のような卑しさで
心を照らしていた。






愛しきもの


無法な夜の最果てにおいて
地球の公転を感じ得る事など 出来ただろうか?

褪せた痛みに さえぎるだけの雲のとばり。
懐かしい朝は あの地平線よりも遠く
遙か、遙か、向こう側。

有益な時と、そうでない時があるとした上で
価値のある日々を探しては
苦しくなるまで 思い出を追いかける。

この手で生み出すもの全てが
無益なものだったと知りつつも
光を放つ記憶のいくつか。

時が進むほどに
増えていく不毛な風景について
それが有益なのか、無益なのか
不可能な線引きに 頭を抱えつつ
やはりそれは、ただ愛しきもの。

認めることの出来ない今という時も
いつかは、愛しい過去の残影となり
輝きの中に咲くことを 祈ろう。

生きる事は、地獄さ。

それでもこの世界は 涙が出るほど愛しいと。





プロフィール

Ides

Author:Ides
   
病の中で歪んだ季節を

刻むべき場所が僕には必要でした。

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