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月の視点


乾いた空気が部屋の隅を抜けていく。

激動の中を駆けていく世界と
世界に取り残されたような月が
不相応に共存している。

時代の日常は、異常なまでに変化し
常にパレットの色彩は
恐怖と不安が交錯し、淀みの底に沈みゆく。

胸の息づかいは ただ荒くなってくるけれど
そんな日常の中で唯一
変わる事のない月の光によって
確かな悲しみを忘れないでいられるのだろう。

単調で殺風景な街の中は
痛みを知らない大人達が笑い
歴史を知らない子供達が笑い
ある種の奇妙な世界が広がっている。

個人の考えなど呑み込んでしまいそうな時代は
いつの日も、賑やかさと恐怖があるけれど
他者がいなければ 個人は生きていけない事を
本当は生まれた時から知っている。

月の光に照らされる薄い影は
変わりたいと願いながらも
変化を恐れる矛盾を抱えている。

月は何を想い、この時代を照らしているのか?

投げかけても何も返ってこない夜に
夏の面影はもう、消え去っていた。




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言葉と雨


雨は何の想いもなく
雨は何のためらいもなく

ただ、無感情に降り続いている。

夜という小さな鉄格子の向こうで
見えない空は、憂鬱を持て余し
雨に濡れた終わりのない世界に
浸かっている。

悲しみは言葉を生み
生まれた言葉は
何を刻むわけでも、何を問うわけでもなく
向かうべき場所など、あるわけもなく
死んだように、力無く 落ちていく。

波紋が広がるように長い夜の時間の中で

言葉は何を刻むわけでもなく
言葉は何を問うわけでもなく

ただ、落ちていく。

それはまるで、降り止まない雨のように。





人間の証明


言葉が灰になり、風の気まぐれに消え去ってゆく時
刻み続けた痛みと苦しみは
安らかな眠りへと還るのだろうか。

愛が人間の証明であるのなら
愛を語れないそれは
人間になれないまま
今宵も見飽きた月を仰いでいる。

空白に染まる感情が
言葉へと変化したのは必然なのか、偶然なのか
詩と呼ばれる言葉の羅列は
醜いほど、心を模写している。

心は悦びの意味を知らず
命の理由も知らず
ただ、頼りない呼吸の音を聞いている。



人のカタチ、人の記憶を辿ると
歳月の歪みは
生まれた時から始まっていたのかもしれない。

どうしたら人に近づけるのか
どうしたら人と仲良くなれるのか

人の心を覗くことも
人に心を見せることも、恐怖でしかない。

生まれた時から一瞬でも
人として生きたことが在ったのだろうか。

人間では無かった日々の中で
それでも小さな繋がりが、歳月のいくつかで
目眩を起こしそうなほどの光で 輝いている。

ふと、そんな人達の事を想い
人間になれなかった自分と
わずかでも繋がりを持ってくれた事に
涙が込み上げて来るのです。



悲しみに染まった言葉達が
いつかは灰になって、風化してゆく時
僕は知るでしょう。

人を愛する行為が、悦びの意味である事を。

人と繋がり合うことが、命の理由である事を。

愛は、人間の証明であるという事を。

病んだ日々に埋もれて
すぐに忘れてしまうだろう言葉を
詩と呼ばれるこれらが
未来へ届けてくれれば、と
願わずにはいられないのです。




夏の終わり


弱まる夏の気配
夜は密かに、新たな季節へ歩き出す。

世界の何が傷ついていても
小さな痛みなど 気付きようもないほど
絶望的に広いこの星は
空虚な想いで満ちている。

生きているはずの心は
停止したように空っぽのままで

死んでいるはずの過去は
永遠と何かを問い続けている。

心の外側と内側と
まるで違う時間軸の中を
あえて傍観しているのは誰だろうか。

別れを告げるように
夏の星が 小さく鳴いている。

季節の循環の中で
目に止まる情景は いつも切ない。

生の意味も、死の意味も
知ることはないけれど

不完全なままで造られた歳月であれ
心の全ては そこに在るのだろう。





プロフィール

Author:Ides
   
病の中で歪んだ季節を

刻むべき場所が僕には必要でした。

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