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繊細な風景


閑散とした記憶に浮かぶ あれは繊細な風景。

古びたデッキチェアに寄りかかる想いは 
物静かに、遠いどこかの日々に埋もれている。

悪戯に通り過ぎる夏の夜風が
何を問うわけでもなく 心を揺らしていた。

寂しさと呼応するように
細やかな時間が流れる夜の終わり。

唐突に何かに促されるように
歳月の意味を探している。

閑散とした記憶に浮かぶ あれは繊細な風景。

ベランダの隅で 置物に囲まれて
切ないサボテンが影を落とす。

染みついた壁にかかるナイロンコートが
季節外れな思い出を 投げかけてくる。

目の前に広がる夜の終わりが
世界の果ての一つならば
憂鬱に眠れなかった真夜中の想いも
終わりを迎えるだろうか。

乾ききった手の平に
疑いのない命の意味を 与えてください。

しわだらけの手の平に
従順な愛の意味を 与えてください。

無意味だったような人生の時間を
一つ一つ数えている。

閑散とした記憶に浮かぶ あれは繊細な風景。





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無色の言葉


世界から完全に閉鎖された
心という空間の色彩は
無色な言葉で造られている。

青色ではない青で
空の悲しみを描いていた。

橙色ではない橙で
過ぎ去った季節を見つめている。

赤色ではない赤で
濁った血を垂れ流す。

すでに僕は
無色な世界の住人であることに
気付いていた。

7月の朝は
終わらない夢の続きのように
淡い光りで包まれている。

幻覚の中にいるような
不確かなその風景で
知らない海の色を
知らない太陽の色を
知らない愛の色を
知らない美しい色達を
汚い色で描いている。

それは言葉に拘束された世界。

「詩」が僕を壊し始めていた。





死を意識しない夜など

あるのだろうか。






追憶


灯りも途切れた夜の底。
眠りの許さない眠りの中で
優しい幻に溢れる夢は続いている。

傷ついた夜空に眠る沈黙の日々が
愛の色に染まる時
痛みや矛盾に満ちた夜も
浄化されてゆくのだろうか。

振り返るその忘れ物に
心を滲ませるいくつかの断片が
危ういほどの眩しさで、暗がりへと浮かび上がる。

人が知ることの出来る悦びや幸せが
世界の全てを埋め尽くす瞬間が在るとすれば
それは、この世に生まれ落ちた
一瞬の時だけだったのかもしれない。

季節の風もなければ
誰の足音もしない
もうすぐ終える夜の底で
月は安らかに何を問うのか。

追憶は柔らかな苦悩を
心に残している。

傷ついた夜空の向こう側で
冷静な光りが目を覚ます。

それが愛の色だとは知らない。

けれど、悲しみでもない色で
世界を染めていた。





プロフィール

Author:Ides
   
病の中で歪んだ季節を

刻むべき場所が僕には必要でした。

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