崩壊と退廃
涙は崩壊していく。
悲しみの形を探したとき
手にすくえない砂のような脆さで
それらは指先から消えていった。
逃避の中にあったはずの歳月は
唐突に夜の真ん中へ放り落とされる。
世界の1秒の中でさえも
途切れることはない悲しみが
奪ってゆく眠りを
僕は追いかけるように
今日も夜を歩いて行くんだ、と
無造作な涙が
無造作で気付かなくなりそうな涙が
星よりも小さく落ちていった。
涙は崩壊していく。
いろいろなものが崩壊して
心が崩壊して
最後に思考までもが崩壊する時まで
そんな涙を
いつまで数えていられるだろうか。
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